自分で使う
そのまま維持
また空き家というと「処分する」というイメージがありますが、言うまでもなく「自分で使う」という選択肢もあります。
週末農園や趣味のためのセカンドハウスなど有効に活用する事もできるのです。
地域のパートナー企業と空き家や空き地などの有効活用をお手伝いします。
『維持管理のよくあるお悩み』
維持管理の基本は「家屋の劣化を防ぐ」事が中心です。
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空き家管理サービスが有効です。
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『自分で使う際のよくあるお悩み』
住宅診断(インスペクション) がオススメです。
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築年が古い家に多いのが接道義務を満たしていないケースです。
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多様な助成金と税控除があります。
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将来のために大切に維持したい。
適切な維持管理のポイントが知りたい。
リフォームして居住するのであれば総合的に管理する必要がありますし、更地にして売却するのであれば簡易的な管理で問題ないでしょう。
人の住まない家の劣化スピードはとても早いため最低でも月に一度は様子を見に行く必要があります。
建物が劣化する大きな原因は「湿気」です。
締め切った室内に湿気を含んだ空気が滞留し、畳の膨張や壁紙のカビや腐食などを誘因し、家屋を侵食していきます。湿気対策はとても重要なポイントです。
定期的に喚起を行うだけでも屋内の劣化防止に大きな効果があります。
特に梅雨など湿気の多い時期には通風換気の頻度を上げる必要があります。シンプルですがとても効果的な対策です。
長期間水道管に水を通さないていると水道管が錆びついてしまいます。
錆が進行すると水道管の破損リスクが高まり、修理に高額な費用が掛かる場合があります。
錆を防ぐためには定期的に「通水」を行う必要があります。すべての蛇口を開放し、最低でも1分以上は流しっぱなしにしましょう。
また定期的な通水によって下水から発生する悪臭を防ぐ事ができます。
水道管には排水トラップと呼ばれる部分があり、ここに一定量水が貯まる事で下水道にフタをする役割をしています。
長期間水道を使用しないでいると水が蒸発しフタがない状態になります。悪臭の原因になる他、ネズミや害虫などの通り道になる可能性があるので注意が必要です。
点検は明るいうちに上から順に視線を移動させながら見落とさないように行います。
屋根は危険なため絶対に自分で登らないようにしてください。
ヒビ割れやシミがないか確認しましょう。チョーキング現象(触るとチョークのような白い粉が付着する)は劣化のサインです。外壁は面積が大きいため変化を見逃しやすいので注意です。
また外壁の継ぎ目の隙間を埋めているシーリング材の劣化も確認しましょう。シーリング部分が劣化すると壁内部へ雨水が侵入してしまう可能性もあるためひび割れやはがれを見つけた場合は早期に修繕しましょう。
1981年5月31日以前に築造されたブロック塀は現在の建築基準法の耐震基準を満たしておらず、倒壊する可能性があります。ブロックに剥がれやヒビがあったり、ぐらつきや傾きなどがある場合は専門業者に相談し早急に修繕しましょう。
内部鉄筋まで劣化が進んでいる可能性もあるため早期に専門家に相談しましょう。
やっかいなのが草木です。伸び放題の草木は害虫発生の原因になるだけでなく、枝や葉などが道路や隣家にまで及び、台風などの災害時には倒木などで人やモノを傷つけてしまう可能性もあります。そのため定期的な手入れが必要です。
また草が伸び放題となっていると周囲から一目で「空き家」とわかるため防犯上も好ましくありません。ゴミの不法投棄や不審者などの住み付きの原因にもあります。必ずシーズンごとに手入れをしましょう。
住まいが遠方なのであまり来る事ができない。
何か方法はない?
人が住まない家の劣化スピードは早く、最低でも月に1度は現地に行き様子を見たいところです。
定期的な管理作業の他にも台風や大雨などの災害後には被害状況を確認する必要があります。
物理的な距離はもちろん、所有者の年齢によっては体力的に管理が難しいという事もあります。
空き家の管理業務は定期的に現地を訪れなければならず、草むしりなどの肉体労働も多いため年齢とともに作業が辛くなっていく可能性もあります。夏場の草むしりなどは体力勝負となるため、部分的に専門業者を使うという方法もあります。
自分で管理を行う場合は前頁の管理のポイントを押さえたうえで必要に応じて外部に委託するなど臨機応変に行ったほうがよいでしょう。
しかしお願いをする相手は空き家管理のプロではありませんし、何かあった際に責任を追及する事もできません。「ご厚意」の延長線上と考えてお願いをしたほうが無難でしょう。
少し大げさと思うかもしれませんが、お願いする管理業務の項目や頻度などを契約書として明文化し、きちんと報酬も支払ったほうがトラブル防止になるでしょう
近年、社会問題にもなっている空き家の問題を背景に「空き家管理サービス」が続々と登場しています。これは専門業者が定期的に空き家の巡回を行い、さまざまなチェックをしてくれるというサービスです。
基本のサービスは業者によって異なりますが、その多くは管理物件である旨の看板設置、月に一度の外観チェック、写真付きの報告書の作成と送付といったところで、料金相場は5,000〜10,000円程度です。
他にも鍵を預かって屋内の通風換気、通水、郵便ポストにたまったチラシの片付けや郵便物の転送、庭の草木の伐採などさまざまな関連サービスを提供しています。総合的に空き家を維持管理する事ができるため、所有者が遠方に住んでいる場合などは活用を検討したいサービスです。
管理物件の看板の設置にプラスして近所の方に挨拶周りをしてくれる業者もあり、きちんと管理されている物件である事を周知する事ができます。空き家の管理業者は何かトラブルがあった際の連絡先としても機能するので、近所の方の安心感につながります。
多少コストは掛かりますが、空き家の適正管理を考えるうえでは最も手離れがよいサービスと言えるでしょう。
特に放火や不法侵入などタバコを原因とした空き家の火災は発見が遅れる事が多く、隣家まで延焼してしまう危険性があります。周辺地域に迷惑を掛けないためにも防犯対策は必須です。
最も安心なのは警備会社のホームセキュリティサービスを利用することです。
今では多くの警備会社が空き家向けのセキュリティサービスを提供しており、費用は月額5,000円程度から検討が可能です。ドアや窓などにセンサーを取り付け、異常時にはガードマンが現場に急行するというプランなども用意されています。
警備会社のステッカーを各所に貼る事でも防犯対策済みである事を周知できるため効果的です。
数万円の初期費用と1,000円程度の月費用で利用可能。PCやスマホなどで確認できます。
◎窓や玄関に侵入対策
玄関には補助鍵、窓には補助鍵と防犯フィルムを施工、いずれもホームセンターで購入可能です。庭は草木が生い茂り、ポストは満杯状態など一目で「管理者されていない」とわかるような空き家は犯罪者のターゲットにされやすいです。
犯罪などに利用されてしまうと、周辺住民に迷惑を掛ける事ばかりか将来売却しようとしても買い手が付かない事もあります。
防犯対策はもちろん定期的に手入れを行い管理されている事を周知する事が大切です。
リフォームして住みたい。
でも築年数が経っているし建物の状態が心配…
しかしこれは壊された住宅の平均築後年数から算出されているもので、本来の寿命とは少し意味が違います。
日本の木造住宅の法定耐用年数は20~22年と定められており、これを過ぎると資産価値がほぼゼロになる事からスクラップ&ビルドを繰り返してきました。メンテナンスして長く住むという文化がなかったのです。これが日本の住宅寿命が短いと言われる大きな原因です。
どれだけメンテナンスをしてきたかにもよって大きく異なりますが、「住む」という面では30年以上経っていても問題のない場合も多いのです。
「どの程度家が傷んでいるのか」「構造上あと何年程度持つのか」を知るためにはインスペクション(住宅診断)を受けるのが一番です。
インスペクションとは専門家による既存住宅の建物状況調査の事です。空家問題をはじめとした「不動産余り」を解消するべく既存住宅の流通促進を活発にするための国の施策です。
本来は不動産の売却時に建物の劣化具合や欠陥の有無を調べるものですが、空き家を直して自分で住もうと考えている方にも有益な取り組みである事は言うまでもありません。
資格者団体としてはNPO法人「日本ホームインスペクター協会」があり、独自の認定試験に合格した診断士を検索する事ができます。建築士事務所などでも対応している事もあるので調べてみてもいいでしょう。
実施費用の相場は一般的な戸建てで5万円前後です。実施時の注意点としてはリフォーム会社や不動産会社が無料で実施しているケースです。リフォーム会社の中には建て替えが妥当な物件を緩い基準で診断しリフォームに導くような場合もあります。
インスペクションは診断結果に対して利害関係のない第三者が中立的な立場で行う事が重要です。
そのため地震の揺れに対する耐力を計測する耐震診断が必要です。特に1981年5月31日以前の建物は旧耐震基準で建てられており現在の建築基準法の耐震基準を満たしていない可能性があるため注意が必要です。
実施費用の相場は20~50万円程度です。自治体によっては旧耐震の建物に対して無料の耐震診断や耐震リフォームに補助金を交付しています。
建て替えを検討中。
古い家は建築制限が多いみたい…どんな制限がある?
古い建築物は建築当時は問題なかったが、現行の法律には適合していないという場合が数多くあり、新規建築自体がまったくできなかったり、現在と同じ条件での建築ができない場合があります。 再建築をするためには建物を建てるための敷地を現行の建築基準法に適合させる必要があります。
現在の建築基準法では建物を建てるための敷地は「幅4m以上の道路に2m以上の間口で接していないといけない」と定めています。
図表4の例でこれを満たしているのは物件Aのみとなります。
物件Cは間口も2m以上あり、接道もしていますが前面道路が建築基準法上の道路ではありません。対処方法は隣地などを買い取って別の道路に接道するしかありません。
物件Dは敷地がどこも接道していません。同じく隣地などを買い取って接道する方法しかありません。
再建築不可の物件は築年が古く住宅が密集しているエリアに多く、隣地の買取りなどが可能であれば再建築が可能になる場合は多いですが、買取費用など大きなコストが掛かる場合もあるので注意が必要です。
2項道路やみなし道路と呼ばれており、再建築時には道路の幅4mを確保するためにセットバック(敷地後退)が必須となります。(図表5参照)
道路の中心線から2m後退しなければならないため、その分敷地が狭くなり、現在の同じ条件での建築ができない場合があります。これによりガレージが設置できなくなったりする事もあるので注意が必要です。
リフォームには助成金が多いって聞いたけど
どんなものがあるの?
助成金の交付には各市区町村ごとに満たさなければならない要件があります。
さらに助成金には予算があり基本的には先着順で予算に達し次第終了となる場合が多いのでその点にも注意が必要です。
助成金、優遇税制ともに「自分で申告する」事が必要となります。
リフォームを実施したからといって自動的に適用になるわけではありません。
◎助成金
基本的にはリフォームの実施前に申請し、交付決定を受けてから工事を実施しなければなりません。自治体によって交付の要件や予算が大きく異なる場合があるため物件の所在地の自治体に確認が必要です。
◎優遇税制
リフォームを実施後に申告を行い適用を受けます。所得税控除に関しては確定申告で、固定資産税に関しては市区町村に申告を行いましょう。